第34回日本呼吸器外科学会総会を下記の要領で開催致します.
第34回日本呼吸器外科学会総会
会長 岩﨑 昭憲
(福岡大学医学部呼吸器・乳腺内分泌・小児外科)
- 会 期:
- 2017年5月18日(木)~19日(金)
- 会 場:
- 福岡国際会議場
〒812—0032 福岡市博多区石城町2—1
TEL:092—262—4111
総会テーマ
「呼吸器外科医の道 ―継承する技と心―」
演題登録期間
2016年10月4日(火)~12月1日(木)
演題申込みはUMINを利用したオンライン演題登録といたします。
詳細は第34回学会総会ホームページhttp://www2.convention.co.jp/jacs34/にてご案内いたします。
総会プログラム(予定)
- 1.
- ビデオシンポジウム 再発肺癌に対する手術(公募)
肺癌の手術による再発には、放射線や化学療法が選択されることが多いが、症例によっては再切除により根治が期待できる。最近では早期肺癌への縮小手術での再発や二次癌の比率も高くなり再手術の機会が増えてきた。強固な癒着などによる剥離操作の困難さで出血は多く、血管・気管支への到達は難しくなる。血管・気管支への手順や体位なども個々の症例で異なる。このように手術には高度な技量が必要で、術後合併症も多く慎重な適応が必要である。本シンポジウムでは、初回手術にはみられない再手術のポイントを提示して頂きたい。
- 2.
- シンポジウム 小型肺癌の治療戦略(公募)
診断学の進歩により早期肺癌への治療方法や戦略も変化している。腫瘍のサイズや性状、局在部位により方針は異なる。新しい肺癌分類ではT因子はさらに細かなサイズで定義されている。これら個々の症例に対する根治を考慮した外科治療を考える上で手術時期や手術手技には注意を払う必要もある。各施設での方針、また患者にとって最も推奨できる方法を討論して頂きたい。
- 3.
- パネルディスカッション
1)悪性・良性疾患に対する気道外科手術(公募)
悪性腫瘍の気道浸潤や気道原発悪性腫瘍、あるいは気管挿管後狭窄のような炎症性気道病変に対しては、中枢気道切除再建手術が必要となることがある。耳鼻科と呼吸器外科の境界領域であるが比較的件数も少なく、この術式は高度な外科技術と経験が必要になる。この為、患者によっては適切な気道再建手術を受けられずにインターベンション治療(ステント・T-tubeなど)や気管切開などによる低いQOLを許容せざるを得ない場合もある。呼吸器外科におけるNo Mans Landとも言えるこの領域に関して、成人・小児の両面から手術法について議論して頂きたい。
2)肺移植(一部指定)
1997年の臓器移植法施行により脳死臓器肺移植が始まって20年が経過した。当初の厳しい同法の下では脳死臓器提供が低迷したために、生体肺移植が主体とならざるをえない期間があった。しかし、2009年の臓器移植法改訂の結果、脳死臓器提供数は大幅に増加し、以後は脳死肺移植が主体となりつつある。またこの間、移植施設は当初の4施設から日本国内を網羅する9施設体制に拡大され、集計された長期成績は欧米のそれを大きく凌駕するものであった。肺移植に関するこれまでの成績、我が国の移植システム、将来展望などを議論して頂きたい。
3)炎症性肺疾患の制御法 (公募)
肺真菌感染や結核・非結核病巣、肺膿瘍、膿胸などの炎症性肺疾患は、内科的治療が奏功しない場合は外科切除の対象になる。繰り返す炎症による組織の脆弱化や、広範でしかも高度に肥厚した癒着のため剥離や止血に難渋するので、切除には高度な技量が要求される。また病変(肺)切除だけでなく気道再建も求められることがある。呼吸器外科医としては一定の割合で遭遇する機会があるが、癌の諸術とは異なった外科手技が必要であるものの、成書には記載されていないコツが大切と思われる。 本パネルでは、手術の手順や剥離法に加えて、大切なポイントを明らかにして頂きたい。
- 4.
- 特別企画
1)Young surgeonsによる本音企画 (一部指定)
日常診療においてエビデンスに基づいた標準治療が多く実施されてはいるが、状況により異なった治療法が選択される場合も少なくない。実際、強固なエビデンスがなく、個別性が強いN2肺癌やT4肺癌などの進行肺癌においては施設や外科医によって治療方針は異なっている。本企画では,「進行肺癌における外科治療の選択・役割」について次世代を担う若手の呼吸器外科医としての本音をぶつけて討論をする場を設けた。各演者の施設における治療方針・成績を呈示頂いた上で、症例を通した演者間での熱い討論を行って頂きたい。ここではクリッカーを使用し会場の意見を取り入れながらの進行を予定している
2)メモリアル講演「世界に発信した巨人たち」 (指定)
これまでに本邦の呼吸器外科医が活躍してきた歴史と、その中で特に世界的評価が高い先生を個別に取りあげる。身近で教えを請うた先生方から、当時の思い出やご苦労、人柄などを講演頂く。すばらしい業績を生み出すにはどのようなことが大切かのヒントを得ると同時に、今後の呼吸器外科医道の励みにして頂きたい。
- 5.
- 特別講演 NCDの活用と将来
世界に類を見ない巨大データベース(NCD)は、専門医申請のためのインフラにとどまらず、術式についてのデータ解析によるリスク評価、医療の改善や診療報酬改定にも利用が期待されている。他外科領域で既に応用されている取り組みを紹介していただくと同時に、呼吸器外科領域で今後何ができ得るか等を代表理事である岩中督先生にご講演頂く予定である。
- 6.
- 海外招請講演
Walter Klepetko(Vienna Medical University, Vienna General Hospital)
Gaetano Rocco(National Cancer Institute, Pascale Foundation)
Alper Toker(Istanbul Medical Faculty, Istanbul Medical School CAPA)
Jesper Holst Pedersen (University of Copenhagen, DK)
- 7.
- 教育講演
第8版の肺癌新TNM分類を理解する
中皮腫の最新病理知見見
小児気道手術
- 8.
- International session
1)ESTS and JACS joint session (指定)
最近の技術を応用した呼吸器外科手術の現況について、今回のテーマを「Current perspectives on technology-assisted thoracic surgery」としてヨーロッパと日本で相互討論の機会を設けた。ここではVATSやロボット(RATS)、3D画像利用した手術などを主な対象とする。
2)Asian-Pacific Advanced Network (APAN)を用いた国際ライブセッション(指定)
費用負担がなく非圧縮の鮮明な医療用動画配信であるAPANを利用し、呼吸器外科領域での遠隔会議を10年前から実施している。特にアジア・オセアニア施設間は時差も少なく、同時に多数の施設が相互に参加できることで有用な手段である。これら培ったアジアのネットワークを駆使することで、国外からも同時に学会参加でき討論できる新しい学会形式を提案したい。今回も学会会場とアジアの各施設からのライブで相互発表を行いながら進行する。
3)一般演題のInternational session (公募)
アジアを中心とした海外から応募演題には、英語で発表いただけるInternational sessionを設ける。国内の方も英語発表を希望される方は、この中での交流をしていただくことも可能である。
- 9.
- 要望演題
小型肺癌
巨大腫瘍
合併症を持つ肺癌治療
Salvage surgery
IV期肺癌手術
医療資源の節約と工夫
N1とN2肺癌の治療
肺癌術後補助療法
画像支援と手術
VATSの工夫
感染症肺疾患の外科(膿胸、 真菌、断端ろう、気管支結核)
呼吸器外科手術における教育、トレーニング
メディカルスタッフ連携(看護師、臨床工学士との協調)
女性医師の職場環境
転移性肺腫瘍
縦隔腫瘍の治療
難治性気胸
外科における分子標的治療の役割
- 10.
- 要望ビデオ
VATS区域切除
拡大手術におけるVATSの役割
気道または血管再建を伴う腫瘍手術
Robotic surgery
局所進行悪性腫瘍に対する拡大手術
希少術式
- 11.
- 一般演題(ビデオ、口演、示説)
- 12.
- 医療安全講習会、感染対策講習会、医療倫理講習会
- 13.
- 吸器外科セミナー(教育セミナー)
掲載 2016年9月2日