事務局代表あいさつ

受講生の皆さんへ

呼吸器外科サマースクール2013事務局代表
聖隷三方原病院
丹羽 宏

 ようこそ、呼吸器外科サマースクール2013に入校いただきました。このスクールは生体動物を使用したアニマルラボ、摘出臓器を使用したティッシュラボ、胸腔鏡ボックスを用いたドライラボの3つの実習を通して呼吸器外科手術を体験していただくものです。夏休みの2日間を使い、全身麻酔下のブタの開胸・閉胸・肺葉切除実習、摘出心肺(冷蔵保存)を用いた肺葉切除実習、ドライボックスを用いた胸腔鏡の基本手技実習を通して呼吸器外科の魅力をたっぷりと味わって下さい。スクールでは術者としての技術を学ぶだけではなく、手術は1人ではできませんので、助手の役割の重要性も体得していただきたいと思います。インストラクターはいずれも専門医を取得したベテランばかりですからどんなことでもかまいませんので、質問を投げかけて下さい。きっと期待する答えが返ってくると思います。
 実習の成果を実感するために実習終了後にそれぞれのコースで技術コンテストを実施いたします。初日のアドバンスコースでは気管吻合コンテスト、ベーシックコースでは皮膚縫合コンテストを行います。また、2日目には胸腔鏡基本手技タイムトライアルを行います。成績優秀者には豪華賞品を準備いたしました。実習以外の時間について、初日夜には懇親会(先輩呼吸器外科医と語る)を開催します。長時間の実習で疲れた体を癒し、おなかを満たして、ゆっくり一杯飲みながら仲間と楽しく集って下さい。先輩をつかまえて大いに夢を語ってもらえば、自分の将来の姿を思い描くことができます。2日目は特別講演「私が呼吸器外科に魅せられる理由」、皆さんの少し先輩の呼吸器外科医に彼らの日常を語ってもらうランチョンシンポジウム「若手呼吸器外科医の1日」を開催します。前日に聞けなかった疑問もこの場で解消できると思います。折角の機会ですから、日中も夜もたくさんのインストラクターをつかまえて、いろいろな疑問を投げかけて下さい。100名の受講生の仲間がいますので彼らとも親交を深めれば、将来の進路について整理できるかもしれません。閉校式の時には胸がすっきりしているものと思います。このスクールが、将来の長い人生のレールを敷くことに役立てば幸いです。


インストラクター各位

呼吸器外科サマースクール2013 事務局代表
聖隷三方原病院 呼吸器センター外科
丹羽 宏

 この度は「呼吸器外科サマースクール2013」のインストラクターをお引き受けいただき誠にありがとうございます。このサマースクールは医学生、研修医を対象に呼吸器外科の面白さを伝え、呼吸器外科を目指す若い医師を一人でも増やそうというミッションのもと、開催されます。
 今年はインストラクターを公募といたしましたところ、一人でも仲間を増やしたい、若い人に手術の指導をしたいという高い志をお持ちの皆様が40名手を挙げて下さいました。全員を招聘したかったのですが、予算に限りもありますので、関係する受講生がいない7名の先生がたには大変申し訳ないのですが、お断りせざるをえませんでした。最終的に33名の皆様にインストラクターをお願いいたしました。3割程度の受講生が女性ということもあり、女性インストラクター4名をお願いしました。
 昨年同様、多くの皆様の熱心な勧誘のおかげで、受講生の人気は非常に高く、締め切り前に満席となり、キャンセル待ちも含めて127名の応募がありました。数名のキャンセルがありましたが、定員100名満席でスクールを開校することができます。受講生のグループ分けは皆様のご希望にできる限り沿うように配慮いたしましたが、受講生が不公平とならないよう効率的なグループ編成を心がけましたので、必ずしも皆様のご希望に沿わないかもしれません。ご容赦いただければ幸いです。
 今回のスクールでは以下にお示しします3点を重点ポイントとして掲げました。すなわち(1)実習手技をビデオで提示し受講生、インストラクターに共通認識を持ってもらう、(2)助手の役割の重要性を伝える、(3)受講生全員がブタの手術に参加できるように工夫し、時間管理を厳格にする、という考えです。ビデオですべての手技を提示いたしますので、できる限りその内容に沿ってご指導いただきたいと思います。受講生は手術を自分でやりたいと興味を持っていると思います。もちろん、その体験はしてもらいたいのですが、手術の遂行には助手の役割が極めて重要であり、カウンタートラクションをどのようにすれば切離をしやすくなるかということも体験してもらいたいと考えています。手術は一人ではなくチームでやるのだということを学んでもらいたいのです。昨年の受講生の「もっと実習をしたかった」という閉校時アンケートの声を踏まえ今回のスクールは座学をできる限り少なくし、実習中心にカリュキュラムを作成しました。初日は夜19:40までとこれまでに比べそれぞれの実習に時間の余裕を持たせましたが、次のグループ、次の実習のことを頭に入れて時間管理をするとともにできる限り公平に順番を回していただければと思います。
 先生方には夏休みの貴重な2日間を交通費と宿泊費のみの支給によるボランティアでお使いいただき心より感謝申し上げます。豪華ではありませんが、懇親会では静岡の地酒等も準備していますので、将来の呼吸器外科医や同世代の志を共にする仲間との2日間をエンジョイしていただければと思います。もし先生方の地元のお酒がございましたらお持ちいただいて、受講生にそのおいしさを語っていただければと思います。将来の呼吸器外科の発展のためにどうかご協力をよろしくお願いいたします。