サマースクール2018感想文

国立国際療研究センター呼吸器外科 長阪 智
 平成三十年7月7日 8日の2日間、3年連続で、呼吸器外科学会、サマースクールのインストラクターとして参加させて頂きました。。折しも、西日本豪雨のど真ん中でありました。開催が危ぶまれ、神戸以西の西日本から参加できない学生、研修医、インストラクターが多かったのは残念でありましたが、7割もの学生や研修医、インストラクターが集まり、例年の如く開催されたことに驚きを隠せませんでした。インストラクターの中には、わざわざ、四国から貨物船に乗せてもらい駆け付けたり、新幹線も走らない中、前日から、迂回してまで駆け付けた医師もおり、教育熱心な姿勢に心打たれました。今回は、生徒も少なくなったため、例年以上に濃密な2日間であったのではないかと思います。このスクールでは、技術的な事はもちろん、何より、同じ道を目指す全国の仲間、知り合いを作る事が出来ることが大きなメリットではないでしょうか。例年、生徒同士、沢山の仲間ができており交流を深めています。我々インストラクターも若い生徒から刺激を受けています。2日目昼には、ランチョンで、呼吸器外科医の海外協力について少し時間を頂きお話しさせて頂きました。解散前に多くの生徒、インストラクターから、質問を受け、微弱ながら、途上国への医療技術協力等、呼吸器外科の魅力をお伝えできたのかと考えております。このスクールを通じ、一人でも多くの若い先生が、呼吸器外科になってくれれば幸いです。呼吸器外科医の手術は国内・外問わず、沢山溢・れ・て・い・ま・す。
大阪大学 神崎 隆
今回初参加でアドバンストコースのインストラクターを務めさせて頂きました。1日目のウェットラボでは、研修医の皆さんの熱意と努力が伝わってきて、指導している私の方が良い刺激をもらいました。ブタの葉切除を完遂した際には、私を含むチーム4人が同じ気持ちになって充実感と達成感を味わう事ができました。2日目のドライラボコンテストでは、平均点が最も高いチームとなり、ベストインストラクター賞を頂く事ができました。まだ進路を迷っている研修医の先生もおられましたが、その才能と情熱はぜひ将来の呼吸器外科診療に役立てて欲しいと願いながら、賞品の日本酒を家で頂きました。ランチョンセミナーでは、プレゼンターの先生方の仕事にかける思いが良く伝わるプレゼンテーションを拝聴でき、これから呼吸器外科医を目指す学生や研修医の先生方のみならず、自分を含め現役の外科医にも大変有意義な時間でした。特に、国立国際医療研究センターの長阪先生のベトナムへの医療協力の話は大変興味深く、同じ日本の呼吸器外科医として誇らしいと思いました。日本の呼吸器外科の技術は恐らく世界一なので、医療技術が十分でない国ともっと交流する機会が増えれば良いと思います。このように大変楽しく有意義な2日間を過ごす事がができ、大雨の影響が残る中運営していただいた兵庫医科大学の事務局の先生方を始め関係した全ての方々に御礼申し上げます。ありがとうございました。
コメニウス大学 4年生 濱田 省太
この度は呼吸器外科サマースクール2018に参加させて頂き誠にありがとうございました。 サマースクールの内容は盛りだくさんで、講義とシンポジウムはとてもためになりましたし、先生方のお話はとても興味深く、楽しかったです。
またウェットラボ・ドライラボでは皮膚縫合、気管支吻合、摘出心肺を用いた肺葉切除、麻酔下の豚さんを用いた閉胸、胸腔鏡の手技と初めてのことばかりでしたが、呼吸器外科医のイメージが湧きました。これはまだまだほんのさわりだけだとは思うのですが、呼吸器外科の魅力を直に感じることができました。
そして、2日目に行われた胸腔鏡のコンテストで2位に入賞できたことを大変嬉しく思います。腹腔鏡・胸腔鏡は数回練習したことがあるくらいでしたが、吉井先生のご指導やアドバイス、同じグループの仲間と共に試行錯誤して考えた方法のおかげで上手くいきました。自分一人の力だけでは入賞することはできなかったと思います。夜の懇親会ではたくさんの先生方や学生達と交流することができました。
今回が初めての参加で僕の学年は4年生と参加者の中では低学年だったので、しっかりみんなについていけるのか上手くできるのかと、とても不安でしたが先生方のご丁寧なご指導のおかげで無事にやり遂げることができました。また機会があれば、ぜひ参加したく思います。
この2日間、とても貴重な時間を過ごす事ができたこと、改めてお礼を申し上げます。有難うございました。

関西医科大学 6年生 奥村 公貴
呼吸器外科学会サマースクール2018に参加させて頂きました。私自身、このような「全国から医学生や研修医の方が集まり、インストラクターの先生の下でラボを体験できる」というのは初めてで、新しい刺激・経験になるだろうと思い申し込みました。当日は開催が危ぶまれるほどの大雨でしたが、それでも全国から7割近くの方が参加されていたと思います。私のチームは、自己紹介のときにはすっかり打ち解けるほど仲良くなり、恵まれていたなと感じます。しっかりと動物愛護の講義を受け、いざ豚の開胸手術です。今まで見ているだけであった器具を持ち、自分が術者になり、助手になるという経験はこのサマースクールならではでした。その後、縫合コンテストでした。特に大切にしたのは、助手とのコミュニケ―ションです。”針渡します”、”切ります”等なんでも良いです。大事なのは誰とでも手術を円滑に行えるような能力だと思います。コンテストで満点を取れたのはちょっとした自慢です。濃密な実習が終わると次は「宴」です。こちらも濃密でした。おいしいご飯とお酒に囲まれ全国の人と歓談できるいい機会です。さて次の日は、全国で活躍されている先生方の、自らのキャリアと呼吸器外科の魅力についての講演であり、夢を与える素晴らしい講演でした。最後はドライラボ実習で、毎回変わると噂のタスクをみんなで必死に練習しました。まだまだ語り切れない魅力がありますが、是非自ら体験するのがベストです。最後になりましたが、開催して下さった日本呼吸器外科学会及び日本胸部外科学会の方々、そして主催の先生方を初めとする全国の先生方、研修医の方々、医学生の方々、本当にありがとうございました。
大阪大学 2年生 戸塚 健介
2回生で医学的な知識や手技をほとんど持っていない状況での参加で、参加前は不安が大きかったのですが、丁寧かつ親切に指導してくださったインストラクターの先生や優しく対応してくださったペアの方のおかげで楽しく充実した2日間を過ごせました。
ブタの摘出心肺を用いた肺葉切除実習では、どこに血管が走っているのかをあらかじめ頭に入れておくことの大切さや、術者だけでなく助手も重要な役割を果たしていることなどを知ることができました。実際に体験して必要性を理解することで、基礎医学の勉強に臨床をイメージしながらより主体的に取り組めそうです。
腹腔鏡下手術のドライラボは、全然思った通りに動かせず、手術見学をした際の先生方の技術の高さに気付かされました。親切に指導してくださったインストラクター先生やアドバイスをくださったペアの方のおかげで、最後はボタンに糸を通し、結べるようになり、とても嬉しかったです。
懇親会では他大学の先生や学生と話す機会があり、さまざまなお話を聞かせていただくことができました。進路の相談に乗ってくださったり、アドバイスをくださったりした先生方ありがとうございました。
最後になりましたが、準備をしてくださった呼吸器外科サマースクール2018事務局の皆様、指導をしてくださったインストラクターの先生方、貴重な機会を与えてくださり本当にありがとうございました。

名古屋大学 6年生 加藤
今回、神戸市にて開催された呼吸器外科サマースクール2018に参加させていただきました。
開校式の後すぐに、ブタの開胸実習が始まりました。自分でメスを握るとなると、ちょっとしたことが難しく感じました。また、助手の協力があるのとないのとでは、様々な手技の行いやすさが変わってくるため、実際の手術における助手の役割の大きさというものを実感し、チームワークの大切さに気づきました。
皮膚縫合の実習では、本物の皮膚ということで、その硬さなどに苦労することもありました。終盤にはコンテストも用意され、僕のチームは2人とも、同点1位を獲得することができ、大変嬉しく思いました。
皮膚縫合が終わった後はブタの摘出心肺を用いた肺葉切除実習が行われました。イメージしてから臨みましたが、予想よりもはるかに難しく、先生に教えて頂きながら、何とか終えることができました。
2日目は講義の後、胸腔鏡を用いた手技の体験をさせて頂きました。練習はしたことがありましたが、ビーズの糸通しやボタンの縫い付けなどは初めて経験するものであり、とても難しく感じました。やはり、日頃から練習していないとうまくはなれないなと痛感しました。
その後は数名の先生方が講義をして下さり、閉校式を迎えました。
今回の実習では普段の実習ではできないような体験をすることができ、非常に思い出に残るものとなりました。最後にはなりますが、このような機会を与えて下さった先生方に感謝しております。ありがとうございました。

会津中央病院 1年目 光井 大
呼吸器外科サマースクール2018に参加させて頂きありがとうございました。

会津中央病院の山岸先生に誘っていただき、今年初めて参加させて頂きました。呼吸器外科のローテーションで何度かオペに入らせて頂いていました。初めて自分たちの手で肺葉切除に挑むことができました。手術器具をうまく自分の思う通りに動かすことができず血管損傷させてしまうこともありましたが、先生方のご指導の下やりとげることができました。手術を行う上でどういった点に注意しているか等ご指導頂き大変勉強になりました。

懇親会で多くの先生方と話す機会があり、先生方の経験談や呼吸器外科の魅力を教えて頂くことができました。自分はまだ進路は決まっていませんが、今回のサマースクールで呼吸器外科の魅力を感じることができたと思います。

最後になりましたが、この貴重な気かを与えて頂いた事務局の方々、日本呼吸器外科学会、日本胸部外科学会、共催メーカー、その他のスタッフの方々、心より感謝申し上げます。

国立病院機構高崎総合医療センター 研修医1年目 中島 謙
今回初めて呼吸器外科サマースクールに参加し、貴重な経験をさせていただきました。
まず感じたことは、実際に手を動かす研修はとても楽しいということです。手術器具や糸結びなどの基本的な説明を受けた後は、豚を使ったウェットラボのスタートです。研修医はアドバンスコースとなり、豚の肺葉切除を行いました。術野に入ることは学生時代からもありましたが、器具を持ち手術を進めていく経験は初めてで、難しくも楽しみながら研修できました。それと同時に、普段先生方がいとも簡単に行っている手技が、いかに繊細でいかに大胆であるかも知ることができました。「難しいことを簡単そうにやってみせることがかっこいいだろ?」という指導医の言葉を思い出しました。
そしてサマースクールで自分が一番学んだことは、助手の重要性です。ウェットラボはもちろん、その後の標本での肺葉切除や気管吻合では、術者と助手とを交代で行いました。術野を確保し、術者が望むような環境を整えることで、スムーズに手術や縫合を進めることができると実感することができました。
夜はお酒を飲みながら、先生方や他の研修医と語り合い、呼吸器外科の魅力や他の病院での研修について情報交換することができました。サマースクールにはいろいろなコンテストがありますが、自分のグループから気管吻合コンテストで1位2位を受賞することができた時の興奮は、今でも鮮明に思い出せます。
翌日には鏡視下シミュレーターを使った研修を行い、鉗子を使ってビーズに紐を通すなどゲーム感覚で楽しみながら研修できました。これからのキャリアについてのセミナーもあり、自分の将来について考えるよい機会ともなりました。
充実した2日間を過ごすことができたのも、サマースクールに誘ってくださった当院菅野部長、指導してくださった自治医科大学山本先生、チームのメンバーをはじめ、多くの方々のおかげです。心より御礼申し上げます。

千葉労災病院 1年目 平井 有紀
 今回初めて呼吸器外科サマースクールに参加させて頂きました。初めて出会う方々と2日間過ごすことにとても緊張していましたが、グループの皆さんと協力しながら実習を行っていく中で、緊張が解け、いい雰囲気で実習を行うことが出来ました。
 豚を用いたウェットラボでは、ちょっとした操作で出血してしまったり、血管結紮がうまく出来なかったりとこの実習でしか分からない手技の難しさや繊細さを体験できたことはとても貴重な経験となったと同時に、手術の楽しさを今まで以上に感じることができました。
 内視鏡のドライラボでは一見簡単そうに見えて、実際やってみるとまったく思い通りに動かせないむず痒さがあり、もっと練習して上達したいという気持ちになりました。
 また今回のサマースクールでは呼吸器外科の女医の先輩方のお話を伺う機会も多く、実際に自分が呼吸器外科医になったときの将来像を想像し、考えることが出来ました。今までは女医として外科を選ぶことの不安が少なからずあったのですが、第一線で活躍する女医の先輩方の姿をみることで、不安よりも期待とやはり外科医になりたいという気持ちの方が強くなりました。
 主催の皆様、インストラクターの先生方、そして一緒に切磋琢磨したグループの皆様、この度は貴重な経験をさせていただき誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

長崎医療センター 1年次研修医 中谷 優
 今回7月7、8日に神戸医療機器開発センターにて行われたサマースクールに参加させていただきました。きっかけは4月に呼吸器外科にて研修をさせていただいており、指導医の先生から紹介していただいたことでした。
 豚の開胸手術においては右肺上葉切除をさせていただきました。呼吸器外科の研修の際は胸腔鏡下での手術にしか参加したことがなかったので、実際に自分の目で肺門の組織を見て、その細かさに驚かされました。また術者として組織の処理を行う中で、それぞれの組織の強度の感覚を自分の手で体感することができたのは普段の研修では学べない貴重な経験だったと思います。加えて自分が術者になったことでその後助手になった際の場の展開のやり方についても考えが変わったように感じました。
 その後行われた摘出心肺を用いたwet laboでは気管吻合を行い、吻合の際の術者・助手としての立ち振る舞いについて指導していただきました。臓器は違いますが、消化器外科の研修の際に見ていた腸管吻合での上級医の先生の1つ1つの動きと照らし合わせて、その意味を再確認しながら、実際に手技を体験することができました。
 今回のサマースクールを通して肺葉切除の術式だけでなく、1つ1つの手技の意味やそれぞれの組織の強度を体感することができる貴重な2日間を過ごすことができました。サマースクールの運営にあたって、準備から当日の運営まで行っていただきました兵庫医科大学呼吸器外科の先生方、丁寧にご指導をしてくださったインストラクターの先生方、学びの多い貴重な研修をさせていただきありがとうございました。

(敬称略)

サマースクール開催報告

サマースクール2018集合写真