開催報告

 第11回目をむかえた「呼吸器外科サマースクール2023」が2023年7月8~9日の2日間にわたり、神戸医療機器開発センター(MEDDEC)とニチイ学館神戸ポートアイランドセンターを舞台に開催されました。
コロナウイルス感染症が第5類に移行したこともあり、例年より短い募集期間であったにもかかわらず、受講生定員100名に対して141名、インストラクター募集30名に対して60名を超える多数の応募がありました。
 日本呼吸器外科学会と日本胸部外科学会の主催のもと、日本呼吸器学会と日本肺癌学会に加え、今年度より日本呼吸器内視鏡学会の協賛をいただき、無事開催の運びとなりました。事前準備も含め、多くの方々のご理解とご協力をいただき、すべての関係者の方々に深く感謝申し上げます。
 当日は、各地で大雨のニュースもある中、会場は天候にも恵まれ、受講生98名(アドバンスコース60名、ベーシックコース38名)が参加し、インストラクター、スタッフもあわせて、総勢145名でサマースクールが始まりました。第1日目のアニマル、ウェットラボでは、非常にタイトなスケジュールのなか、受講生全員が真剣な眼差しで外科手技を行い、時に手技の完遂と同時に大きな歓声も聞こえてきました。呼吸器外科の魅力を最大限感じていただく機会になったと思います。さらに、医学生には、気管支鏡や硬性鏡デモなど普段経験できない手技体験や、採点機能付き縫合手技シミュレータを用いたコンテストを行い、皆充実した時間を過ごしました。夜の懇親会では、久しぶりに感染対策規制のない懇親会ということもあり、インストラクターと医学生、研修医が、年齢、大学や施設間の垣根を越えて、皆が楽しく意気投合し、交流を深めることが出来たようです。2日目は、日本呼吸器外科学会名誉会長の金子公一先生より呼吸器外科の歴史と拡大手術について、東邦大学呼吸器外科の伊豫田明先生からご自身の経験なども交えて呼吸器外科の魅力について、熱くご講演をいただきました。胸腔鏡手ドライラボコンテストでは、タスクに真剣に取り組みながらも、それを楽しんでいる受講生の姿が印象的でした。キャリアパスレクチャーでは、長崎大学呼吸器外科の朝重耕一先生、宮城県立がんセンター呼吸器外科の熊田早希子先生から、若手呼吸器外科医のキャリアパスをそれぞれご自身の経験に基づきお話をいただき、男女共同参画・ワークライフバランスレクチャーでは、この分野のトップランナーである栃木県立がんセンター呼吸器外科の中原理恵先生からご講演をいただきました。受講後には、研修医・学生の皆さんに男女共同参画に関わるアンケートにご協力いただきました。
 受講生、インストラクター、そしてスタッフ、関係者各位のご協力により、2日間の全てのプログラムを予定通り終了することができました。この場を借りて深く御礼申し上げます。そして、今回のサマースクールで出会った皆さんとのご縁が、この先繋がっていくことを期待するとともに、今後また、受講生の皆様と未来の呼吸器外科医として再会できる日を楽しみにしております。

呼吸器外科サマースクール2023
                             代表 岡田克典
事務局 野田雅史

サマースクール2023アンケート結果